擁壁(ようへき)とは、高低差のある地面に設けられる壁のことで、斜面の土砂が崩れ落ちるのを防ぐために造られる構造物のことです。
安息角(土が崩れないで安定するときの斜面の角度)を超えて家を建てる時には、安息角の外側(がけ附近)の家が、がけ崩れで家ごと流されてしまわないよう、擁壁を設ける必要があります。
この擁壁には、地面に溜まる雨水を流すための水抜き穴というものがあります。 水を抜くための穴なので、水が出てくるのは当たり前なのですが、以前より水量が増えたり、キッチンや浴室・トイレなどの排水に合わせて水が出たりする場合は、原因の確認が必要です。

水抜き穴からの水漏れに問題が生じた場合、近隣とのトラブルが発生することもあるため、注意が必要です。下記項目の症状が出ていないかチェックしてみましょう。
- 水抜き穴から常時水が出ている
- コンクリートがいつも湿っている
- 排水をするたびに水抜き穴から水が出てくる
- 擁壁周辺で臭いがする
「擁壁の上に設置されたブロック塀のひび割れ・傾き補修工事」や「土留め擁壁の傾き・ひび割れ改修工事」をご検討されている場合は、下記参考ページをご確認ください。
擁壁から排水が漏れる原因
擁壁から水が常時、または排水の度に漏れる場合、排水枡や排水管にひび割れ・破損が発生していたり、排水枡と配管の接続部に隙間が発生している可能性があります。
その隙間や破損個所から水が漏れ出し、土に流れ出ていった水が、擁壁の水抜き穴から出てきてしまうわけです。下図のイラストのようなイメージです。

このような状態になってしまった場合は、排水のたびに水が擁壁の水抜き穴から出てきてしまうため、近隣からの苦情やトラブルの原因となってしまいます。
早急に排水管や排水枡の破損個所を特定して、修理する必要があります。
擁壁からの水漏れ修理工事の施工期間
このページで紹介するような排水枡・配管の修理工事は、施工期間の目安が1~2日です。 住宅のどこかで水が漏れているか、排水枡や配管だけの修理で済めば1~2日前後で完了します。排水管部分がコンクリートの場合は、ハツリ作業が必要なことがありますので、施工期間が変動します。
擁壁からの水漏れ修理工事の施工手順
擁壁からの水漏れ修理工事の施工手順です。今回ご紹介する現場は浴室で排水する度に、擁壁の水抜き穴から水が出てしまう状態でした。 施主様本人は擁壁の水漏れには気づいていない状態でしたが、かなり勢いよく水抜き穴から水が出ていたため、近隣のマンションから苦情が入り発覚しました。
下記写真の右側の擁壁上部がお客様宅、左側が近隣マンションです。その間の緑が生い茂っている場所に、擁壁の水抜き穴から水が大量に漏れていました。

下記の写真は、実際に浴室からの排水後に、擁壁の水抜き穴から水が出てきた時の写真です。浴槽に溜まった水を排水しただけで、水たまりができてしまう程の水漏れが発生しました。水もかなりの勢いで出ていました。

浴室下の配管から水が漏れているか確認するために、床下に潜り込み配管を確認しましたが、浴室下の配管からの水漏れは確認できませんでした。

原因を探っていくと、浴室の排水が通る排水枡と排水管の接続部に隙間が生じており、その隙間から漏れてしまった排水が、土の中を通って、擁壁の水抜き穴から漏れ出ている状態でした。
この状態のままでは浴槽の水を排水する度に、かなりの勢いで擁壁の水抜き穴から水が出てきてしまうため、早急に排水枡の交換工事を施工することになりました。
擁壁の水漏れ解消工事の基本的な流れは、「排水管・排水枡の破損個所を特定 → 掘削・解体作業 → 新しい排水管・排水枡に交換 → 掘削した土を戻す」となります。
施工するには1~3人必要となります。水漏れ箇所の特定は非常に困難な作業ですので、プロにお任せください。

ここから今回実際に施工した現場の写真を使用して、擁壁からの水漏れ修理・トラブル解消工事の施工手順をご紹介します。
(1)水漏れの原因となっている排水枡を交換するために、まずは周辺の掘削作業をして、排水枡と排水管を掘り出していきます。 今回の排水管がある部分は土でしたので、ハツリ作業(コンクリートを削ったり壊したりする作業)の必要はありませんでした。スコップを使用して掘削していきます。

(2)掘削後に水漏れの原因となっている排水枡を取り外します。

(3)排水枡と排水管の接続部分の穴が少し楕円状になっている状態でした。隙間を埋めるためにコーキング処理がされていましたが、コーキングが劣化して隙間から水が漏れていたようです。

(4)排水枡と排水管の接続部分の正面側です。下側には苔が生えてしまっており、この部分から水が漏れてしまっていたのが分かります。

(5)続いて新しい排水枡の設置作業です。排水枡にホールソーを使用して穴をあけて、バリ取りをした後に排水枡用のシールパッキンを取り付けていきます。

(6)シールパッキンを取り付けてから、排水管を排水枡に接続していきます。

(7)排水枡の両側に排水管を接続していきます。

(8)取付が完了したら排水枡のフタを閉めます。

(9)最後に掘削した土を元に戻して完了です。

(10)施工後に実際に浴室、キッチン、トイレの水を排水して、水抜き穴から水が漏れてこないか確認します。以前の水漏れの後はありますが、新しく水が漏れてくることはありませんでした。

以上が「擁壁からの水漏れ修理・トラブル解消工事の施工期間や施工手順」となります。
今回は、排水桝と排水管が接続されている穴を塞いでいたコーキングが劣化して隙間が生じてしまい、その隙間からお風呂の排水が流れ出てしまっていたことが原因で、擁壁からの水漏れが発生していました。
擁壁の水抜き穴は、水を逃がす穴ですので、雨天時に水が出てくるのは当たり前なのですが、一般住宅で浴室・キッチン・トイレ等を排水するたびに水漏れをしている場合は、注意が必要です。また、その他の原因で水漏れが発生している場合も現地にて擁壁の状態確認後に御見積りをご提示可能です。
もちろん現地確認・御見積りは無料で対応しておりますので、御見積りで費用を確認してから、予算内で施工可能でメリットがあれば擁壁水漏れ改修の施工を検討する。メリットを感じられない場合や、費用面で都合が合わない場合は検討を改める。といった流れがおすすめです。
擁壁の水漏れ等でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
擁壁の排水と、修理が必要な水漏れの違い
雨との関係・生活排水との関係が、原因を探る手掛かりです
雨の後に水抜き穴から水が出る場合と、お風呂の水を流すたびに出る場合では、確認する箇所が異なります。今回の施工例では、浴室の床下配管を確認した後、屋外の排水枡と配管の接続部で漏水が見つかりました。常に水が出るというだけで排水管の破損とは決めつけず、雨や住宅設備の使用との関係を確認することが大切です。
水抜き穴の詰まりと、排水枡・排水管の漏水は別の問題です
水抜き穴の詰まりは、擁壁の背面から水を逃がす機能に関わります。排水枡や排水管の破損は、本来管の中を流れるはずの水が土の中へ漏れる問題です。漏れている出口を塞ぐのではなく、どこから水が来ているかに応じた対応が必要です。
ひび割れ・傾き・膨らみもある場合は、擁壁自体の状態に注意
水の問題とあわせて、擁壁のひび割れや傾き、膨らみ、周辺地面の沈みが見られる場合は、排水管だけの修理で済むとは限りません。急な変化や土砂の流出がある場合は近づかず、自治体の防災窓口等へ相談してください。
擁壁の傾き・ひび割れの補修事例を見る
擁壁からの水漏れと、排水設備の改修事例
杉並区:入浴後の排水が擁壁から漏れる/工期2日
「お風呂の水を流すと擁壁の水抜き穴から水が漏れる」というご相談でした。コンクリート桝の割れ・破損が確認され、既存の桝を撤去し、新しい排水桝と配管に改修しました。
杉並区の擁壁水漏れ・排水桝交換の写真を見る
関連事例・さいたま市:排水管の勾配を直した改修/工期1日
こちらは擁壁からの漏水ではなく、住宅の排水管が詰まった事例です。埋設管を掘り出すと、管の中央が高くなり水が流れにくい状態でした。詰まりの除去だけでなく、勾配を付けて排水管・排水桝を新しく設置しました。
さいたま市の排水管・排水桝改修を見る
日数は各現場の施工実績です。掘削箇所の仕上げや、交換・復旧する範囲によって工事内容は異なります。
擁壁の水抜き穴・水漏れでよくある質問
雨の後に擁壁の水抜き穴から水が出るのは、水漏れですか?
水抜き穴は、擁壁の背面にある水を外へ逃がすためのものです。雨の後などに水が出ること自体は、直ちに故障を意味しません。一方、生活排水に合わせて水が出る、臭いや濁りがある、以前より水量が増えたといった変化は、原因を確認する手掛かりになります。水の出方だけで原因を断定することはできません。
水抜き穴を塞げば、水漏れは止められますか?
水抜き穴を塞ぐ方法で対処しないでください。背面の水を逃がす機能を妨げるおそれがあります。このページの事例では、水抜き穴ではなく、漏水の原因だった排水枡と配管の接続部を直しました。水が出ている場所と、修理が必要な場所は同じとは限りません。
擁壁の水抜き穴から水が出ない場合は、詰まっていますか?
水が出ないという理由だけでは、詰まりとは判断できません。雨の降り方、地盤や排水経路の状況も関係します。穴の入口に土や草が詰まっている、以前と比べて水の出方が変わった、壁の別の場所から水が出るといった状況があれば、分かる範囲でお知らせください。
擁壁に水抜き穴を追加すれば解決しますか?
水抜き穴の追加だけで解決するとは限りません。排水枡や配管から漏れている場合は、その原因箇所の修理が必要です。穴を追加する場合も、擁壁の構造や背面の排水経路の確認が必要になるため、ご自身で穴をあけずにご相談ください。
擁壁からの水漏れ修理は何日かかりますか?
排水枡や配管の修理で済む場合は1〜2日が目安です。掲載している杉並区の排水枡・排水管改修は2日でした。原因の確認にかかる時間、掘削範囲、コンクリートの解体・復旧、擁壁自体の改修が必要かどうかで日数は変わります。
原因が分からない段階でも相談できますか?
ご相談いただけます。水が出る場所、雨との関係、浴室・キッチン・トイレなどの使用時に変化するか、臭いや濁りの有無を分かる範囲でお知らせください。無理に擁壁へ近づいたり、掘り返したりして確認する必要はありません。現地確認・お見積りは無料です。
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0120-166-766
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