庭が土のままだと雑草が生えてきて地面を覆ってしまったり、草木が多いので虫が大量に発生してしまったり、雨が降ったあとは泥で衣類や車が汚れてしまうことがあります。
砂利を敷いた場合は、除草シートを敷かないと雑草が生えてきますし、除草シートに隙間があればそこから草木は生えてきます。また、砂利のサイズが小さい場合は、歩行して踏む場所の砂利が移動するため終始変形します。
そんな悩みを解消するために「庭に土間コンクリートを打設する」工事を検討されている方も多いはずです。
「庭に土間コンクリートを打設する」ことで、デザイン性の向上、車・自転車・車いすの出入りが楽になる、雪かきが楽になる、草木が生えなくなる、虫も寄り付かなくなる等のメリットがあります。
カーポートやサイクルポート、物置などを新しく設置する場合にも、設置部分にコンクリートを打設します。 物置設置であれば内部の水平を確保したり、駐車場であれば水勾配という雨水が溜まらないように傾斜を確保して土間コンクリートを打設します。
「庭に土間コンクリートを打設する」工事のデメリットとしては照り返しが強くなる、撤去する場合に費用がかかる、ガーデニングが不可能になる等が考えられます。
土間コンクリートの構造
土間コンクリートは「地面・砕石・コンクリート」の3層構造になっています。コンクリートの中に「メッシュ筋」をいれることで、ひび割れ防止効果があり、コンクリートの強度も増します。
地面
「地面」は土間コンクリートを打設する下地の部分です。土のままの場合は雑草が生い茂っていることが多いため、先に下地処理をする必要があります。 また、砕石とコンクリートを打ち込む厚み分、地面が高くなってしまうので、先に地面を掘削してからコンクリートを打設する必要があります。
砕石
「砕石」は天然の石を細かく砕いた石です。砕石は基本的にコンクリートと同じ厚さを敷き詰めます。例えばコンクリートを100ミリの厚さ打ち込む場合は、砕石も100ミリの厚さ敷き詰めます。
そのため砕石を敷く厚さは、雑草対策や人が歩くだけの場所であれば80~100ミリ、駐車場として使用して車が上を移動する場合は100~150ミリほどの厚みが必要となります。
砕石のサイズは特に決まりはありませんが、打ち込むコンクリートが薄い場合は細かめの砕石を、打ち込むコンクリートが厚い場合は大きめの砕石を使用します。
コンクリート
「コンクリート」はセメント・水・砂・砂利を合わせて配合したものです。厚みは施工箇所・使用用途によって様々ですが、庭の土間コンクリートを打設する場合は80~150ミリの厚さで施工することが殆どです。
雑草が生えないようにするだけで重いものをコンクリート上に載せない・重いものがコンクリート上で動かないのであれば約80~100ミリ、駐車場として使用する場合は約100~150ミリはコンクリートの厚みが必要となります。
メッシュ筋
「メッシュ筋」はワイヤーメッシュと呼ばれる網目状に溶接された金網です。メッシュ筋をコンクリートの中に入れることで、ひび割れ防止効果とコンクリートの強度を上げる効果があります。
土間コンクリートの硬化に必要な時間
庭に土間コンクリートを打設しても、すぐにコンクリートの上を人が歩いたり、車を駐車して良いわけではありません。適切な日数土間コンクリートを硬化させる必要があります。
コンクリートの種類にもよりますが、目安としては人や自転車が上を移動する場合は3日、車を駐車したり乗り入れる場合は7日必要となります。完全にコンクリートの強度が出る(80%を超える)のは28日以上たった後といわれています。
しっかりと乾燥させないで重いものを載せたりするとひび割れの原因になってしまうので注意が必要です。ちなみにコンクリートは温度が高いほど早く固まるため、冬場より夏場の方が乾燥するスピードが速くなります。
用途 | 人が歩く | 車の入出庫 | 硬化する(80%) |
---|---|---|---|
硬化日数目安 | 3日 | 7日 | 28日 |
庭に土間コンクリートを打設する工事の施工期間
「庭に土間コンクリートを打設する」リフォームの施工期間は2日~4日です。施工範囲によって多少前後します。屋外にある庭のリフォームになりますので、住みながらの施工が可能です。
ただし施工中は掘削して木枠で囲む・砕石やメッシュ筋を敷く・コンクリートを流し込むといった作業がありますので、施工箇所部分の上を歩いたり自転車・車を止めることはできません。
また、施工前や施工後の雨は問題ありませんが、施工中に雨が大量に降った場合はコンクリートの品質や仕上がりに影響が出てきますので注意が必要です。
庭に土間コンクリート打設リフォームの施工手順
庭に土間コンクリートを打設するリフォームの施工手順です。基本的な流れは、「雑草や木の撤去 → 地面掘削 → レベル確認 → 枠組み → 砕石を敷く → 転圧 → メッシュ筋設置 → コンクリート打設」となります。
施工するには1~4人必要となります。コンクリートをその場で混ぜて作ることもありますが、コンクリートポンプ車を呼んでコンクリートを打設することもあり、現場の施工範囲や施工期間で施工方法や必要人数は異なります。 DIYで施工することは可能ですが、大変な作業となります。ぜひプロにお任せください。
今回は協和ハウスで実際に施工したコンクリート打設現場の写真を使用して、庭にコンクリートを打設するリフォームの施工手順をご紹介します。
庭の一部が土のままで雑草や木が生い茂っている箇所をコンクリートで埋める作業になります。雑草や木の幹を撤去して土のレベル(高さの差)を調整して、砕石・メッシュ筋を敷いてコンクリート打設をしました。
(1)施工前の庭部分です。草木が生い茂っています。雑草の他に木の幹も3箇所ほど残っている状態です。
(2)草木が生えている状態では当然コンクリートを打ち込むことはできませんので、コンクリートを施工する箇所に生えている雑草や木の幹を取り除く必要があります。
(3)木の幹は根が地中深くまで張っているため、多少掘ったくらいでは抜けません。まずは根が出てくるまで木の幹の周りを掘削していきます。
(4)木の根が見えるまで掘削していきます。木の根が見えてきたら、のこぎりで根を切断します。しっかりと根を張っている木なので、1~2本根を切ったくらいではびくともしません。
通常木の幹などがある場合は重機を使用して除去作業をおこないますが、今回は現場までの道が細く重機が入ることが出来ないため、全て手作業で木の幹を除去していきます。
(5)木の根を7~8箇所切断したら、ようやく木の幹がグラグラと動いてきたので、ワイヤーを樹の下部分から括り付けて引っ張り出します。
(6)これで右下に生えていた木の幹の除去が完了しました。残りの雑草や木の幹も除去していきます。
(7)続いて隣の売地との境目にあるブロックを並び直して、全て水平器で水平をとります。
(8)雑草や木の幹の除去、ブロックの水平取りが完了したら、水糸を使って高さのレベルを確認します。
今回の庭の土間コンクリート打設工事は、庭のコンクリートを打ち込んでいない約6㎡の範囲にコンクリートを打設する工事ですので、もともとコンクリートを打ち込んである隣接部分と高さ・勾配を合わせる必要があります。
水糸を張って隣接部分との高さ・勾配を確認して、砂利・鉄筋を敷いた後に、コンクリートの厚みが十分に確保できるか確認します。 高さが確保できていない箇所がある場合は、土の掘削作業をしてレベル(高さの差)を確保していきます。
(9)雑草・木の幹の除去、ブロックの水平取り、掘削作業が完了して、庭にコンクリートを打設する準備が整いました。 左側の木の幹は後日伐採しました。
(10)砕石をコンクリート施工箇所全体に敷いていきます。
(11)既存のコンクリートとの間に「エキスパンタイ目地」を設置します。
「エキスパンタイ目地」はグレーのスポンジ状のポリエチレン発泡体の上に、耐熱性に優れたプラスチックを、さらに耐候性能に優れたEPDMゴムで覆っている製品です。土間コンクリートの目地として主に使用しています。
グレーのスポンジ状のポリエチレン発泡体でコンクリートの膨張や収縮の変化を吸収することで、ひび割れ防止効果もあります。スポンジ状のポリエチレン発泡体を覆っているキャップ上部が目地として見えるため、仕上がりもキレイにまとまります。
(12)「エキスパンタイ目地」をモルタルで固定します。
(13)砕石を転圧して、メッシュ筋を敷いていきます。
(14)打ち込むコンクリートを用意します。今回の現場はコンクリートポンプ車が入ることができないため、手作業でコンクリートを配合していきます。
(15)コテを使用してコンクリートを打ち込んでいきます。
(16)勾配をつけながら全体にコンクリートを打ち込んでいきます。
(17)水気が引いてきてコンクリートが少しだけ硬くなってきたら、「ブルフロート」と呼ばれる道具でコンクリートをならしていきます。
夏場の暑い時期だと、コンクリートが乾く速度が速いため、固くなりすぎてうまくならすことができなくなることもあります。
その場合は上からホースなどで水を少しかけてあげることで、少し柔らかくなりますので、うまくコンクリートをならすことができます。
(18)コンクリート全体をならして、表面がキレイに整えば、庭に土間コンクリートを打設する工事の完了です。
駐車場や駐輪場、玄関アプローチなどの場合は、この後に刷毛引き仕上げを施工することもあります。刷毛引き仕上げをすることで、表面がザラザラとして滑り止め機能を加えることができます。 (今回の現場は雑草対策のための庭に土間コンクリートを打設する工事のため、刷毛仕上げは施工していません。)
以上が「庭に土間コンクリートを打設する工事の施工期間や施工手順」となります。小範囲であればDIYでも施工できますが、駐車場や庭全体の土間コンクリートを打設する場合は、 掘削作業や資材運搬、コンクリートポンプ車の手配等ありますので、建築業者に依頼することをおすすめします。
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